10月12日に総代会を開き、標記修理計画の第一交渉相手企業として中島工務店様の企画提案を採択させて頂きました。明日、10月30日に第一回目の交渉(合意形成、negotiation)を予定していますが、それに先立ち昨日10月28日、西光寺のお檀家様でもある有名な日本画家、i様をお招きし、阪神淡路大震災で欠落した部分をはじめ、現存する天井絵、壁画まで含め、新規に制作して頂くお願いをいたしました。
…実は企画コンペで各社から表装・漆箔工事の提案まで盛り込んで頂いていたのですが、いろんな理由があり、当該工事は採択しないことになっていました。i様には快くお引き受け受け頂きまして、ただただ、感謝の限りで、続く言葉がありません_(._.)_。
阪神大震災後の修理で、元々あった絵がなくなってしまい、安易な合板で補修されている折上天上部分。18枚のパネルが空白になっていますが、此方は見栄えの良い木材で新規に修理し直し、直接板に描いてもらうのか、以前のように和紙に描いた絵を貼り付けてもらうのか、絵師i様と西光寺の役員、工務店様等、利害関係者との協議によって決めたいと思いますが、約2年間、修理工事が完成するのに合わせ、18枚のパネル制作をお願いいたしました。工事はまだ始まっていませんので、2年半後くらいのお披露目となると思いますが、どのような絵天上になるのか、今からとても楽しみです。
こちらは現存する絵天上と障壁画です。これほどの装飾は、地方都市のお寺としては珍しいと思います。随分傷んでおり、剥がれ落ちそうになっている箇所が多く見受けられますが、その剥がれている絵の下に、また別の絵が描かれています。
過去の修理の際、古い絵天上に被せる形で、新しい絵を貼り付けていったことが推測されます。表に現れている絵が前回の大改修200年前のものだとすると、隠れている絵はその前の改修、今から300年前に描かれたものかも知れません。
こちらの現存する天上絵312枚とと障壁画10枚は、今回の本堂修理に関係なく、時間のある時に、先生のライフワークの一環として新規のものを、古い絵に貼り付けるという形で描いて頂きたい旨お伝えいたしました。
西光寺の過去の記録を調査する限りでは、今回の本堂修理工事は、少なくとも200年振りの大改修になりますが、200年、300年の時を経て、西光寺を護ってきた絵天上を残す形で、令和の時代、i先生の作品がどのような形で西光寺の本堂をお守り頂くようになるのか、とても楽しみです。
※本堂の修理計画の進捗等については、今後もホームページ等で積極的に発信し、多くのお檀家様はじめ、関係各位にお知らせしてゆきます_(._.)_
Comments